REGRET ―忘れられない人―
運転手は俺。
酒が弱いから別にいいけど・・・・・・
俺はずっとソフトドリンクしか飲んでいない。
幸せそうな2人を後部座席に乗せて、助手席にはうるさい女。
「お前、酒くさい・・・・・・」
「うるさいよ!誠人」
俺と奈美の会話を聞いて、兄貴と直さんは笑っていた。
お似合いだなんて言うな。
俺と奈美はそういう仲じゃない。
婚姻届はいつでも受付ができるらしい。
知らなかった。
「22時39分です。おめでとうございます」
受付のおじさんが、兄貴と直さんにお祝いの言葉を言った。
兄貴と直さんは、見つめ合って微笑み合って・・・・・・嬉しそうに頭を下げた。
きっとさ、22時39分って時刻までしっかり覚えてるんだろうな。
そして、毎年その時間にキスでもして、愛を確認し合うんだろう。