REGRET ―忘れられない人―
「驚いた?」
いきなり立ち止まった花帆は、息を切らしながら俺をじっと見つめた。
「ここって?」
俺は目を細め、花帆が立ち止まった建物の看板を見た。
「託児所?」
ぞうの絵が書かれた看板だった。
「うん。びっくりした?ちょっと待ってて」
花帆は、ちょっと無理した笑顔を作り、小走りで門の中へと入っていく。
だいたいの状況は見えた。
ここに、花帆の子供がいるってことか。
花帆には子供がいる。
でも、結婚はしていない。
離婚か?
俺はこんな状況になっても、全く花帆への気持ちが変わらない自分を誇らしく思った。
子供いるのかよ、なんて思わない俺って、イケてんじゃねぇ?
別に構わない。
今は舞い上がってるからそう思うだけ?
明日になったら、冷静になって、冷める?