REGRET ―忘れられない人―
花帆の秘密
「ごめんね。お待たせ」
母親の顔をした花帆が、託児所から出てきた。
どうやら女の子なようだ。
花柄の靴下が目に入る。
眠ってしまった娘を起こさないように、声を殺して俺に謝る。
俺の知らない顔をした花帆。
娘を抱っこした花帆をタクシーに乗せ、俺も一緒に乗り、家まで送ることにした。
「何歳?」
俺は、スースーと寝息を立てる花帆の娘であろう女の子の顔を覗き込む。
「2歳。時々こうして預かってもらってるの。普段はできる限り預けたくないんだけどね」
娘のピンクのワンピースのスカートからパンツが見えていることに気付き、花帆は恥ずかしそうにスカートを引っ張る。
「誠人、見たでしょ?」
「ああ、さくらんぼのパンツ。かわいい~」