REGRET ―忘れられない人―
この想いは止められない。
苦労することはわかってる。
いくら花帆を愛していても、実の子じゃない子供を育てるって大変なこと。
それに、俺は花帆のことをまだ全然知らない。
「明日、愛花ちゃんも連れて来いよ。3人で遊ぼうぜ」
花帆は、かわいい雰囲気のハイツの2階に住んでいた。
タクシー代を出すと言う花帆に、俺は明日お茶でもおごってくれ、と言った。
明日、絶対に会いたいから。
俺はタクシーの運転手さんに行き先を告げる。
自宅ではなく、
兄貴の高校。
この時間ならまだ兄貴は高校にいるだろう。
兄貴に聞いてみたかった。
兄貴ならどうする?って。
もし兄貴が過去に直さんと別れて、その後直さんと再会して、その時に子供がいたら……