REGRET ―忘れられない人―
俺は誰かに背を押して欲しかったのかも知れない。
『俺もお前と同じようにするだろう』って兄貴なら言ってくれるんじゃないかと思った。
だから、兄貴に会いに行ったんだと思う。
友達に相談しても、誰も俺に賛成はしないだろう。
女ならいくらでもいる、なんて言われるだろうな。
確かにそう。
女なんていくらでもいる。
でも、何人、何十人、何百人の女と出会っても、花帆が忘れられない。
それって、花帆が……俺の愛すべき相手ってことなんじゃねぇの?