REGRET ―忘れられない人―



「これ、直さんじゃん」


兄貴の机には、直さんが卒業した時のクラスの卒業式の写真が貼られていた。


まだ直さんも子供っぽさが残っていて、兄貴も少し若い。


どことなく似てるんだよな、こうしてみると。

直さんと花帆。


純粋そうなところとか、控えめなところとか。

サラサラの髪や、兄貴をじっと見つめる目も……




「どした?」



兄貴は、からになった俺のグラスにオレンジジュースを注いだ。


俺はまた一気に飲む。



「兄貴さぁ、直さんと結婚できると思ってた?」



兄貴はソファに座り、俺に手招きした。



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