願わくば-‥<短編>



今日は君と


たくさん

話しをしたね。









『ねぇ

出会った日のこと

覚えてる?』






あぁ

覚えてるよ。









『いっぱい

喧嘩も

したよね。』









そうだね

いつも俺が

先に折れてたね。








『一緒に

月に

行こうねって

約束したの

覚えてる?』









あぁ

笑いながら

指切り

したよな。









『ずっと

傍に居てくれる

って

言ったじゃない』










うん

俺は

本当に


嘘つきだね。














『どうして





死んで

しまったの?』










そんな風に

泣かないで


俺の恋人。









俺には

こんな場所から


君を

見守ることしか




できないから。






抱き締めてやる

腕も



体温もない



無力な

俺を



恨んでも

いいから











なぁ




笑って

くれないか。


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