春の空
プロローグ 過労
「・・はい・・。

いえいえ、はい・・それでは失礼致します・・」

ガチャ。と電話を切りもと会った場所に置く。

もう何件目だろう・・


“今回は、ご縁がなかったという事でお断りさせて頂きます”



「はぁ・・どうしよう・・」


溜息とともに、そんな弱音さえ出てくる。



でも、ここでめげちゃいけない・・!


私が働かなきゃ・・・いけないんだ・・!!



私はぐっすりと眠るまだ幼い弟蓮と妹舞を見て、そう思い直す。



両親は、私が小学2年の時離婚した。

そして、昔から体の弱かった母が心配で母に引き取られた私。



けれど、3日前・・・


バタタっ・・


『お、お母さん!!!!』


ふと蘇る3日前の出来事。


お母さんは階段を降りるときに突然倒れた。


もともと体が弱いのに、無理をして私達のために働いてくれたお母さん。


そんなお母さんが大好きで、でもどこか無理しすぎだと責めてしまう。



お母さんは頭を打っていて、しばらく入院することになった。




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