Jewel Love〜気まぐれで美しい恋〜
「私は…瑠璃よ」

けど、五十嵐が言ったのは、“みどり”。

確かに、言ったんだもん。

どうせ、私以外に抱いてる女の名前よ!

仕事だとか何とか言って抱いてる女の名前よ!

そう、思い込ませる。

けど…何なのよ、この気持ち。

胸がざわつくような、おかしな気持ち。

この気持ちを“恋”って呼ぶなら、私は否定する。

だって、大ッ嫌いなんだもん。

私の他に何人も女がいそうなこの男なんて、大ッ嫌い。

社長と言う権限と仕事を理由にして、女に近づいている、この男。

好きになる訳なんてない。

恋する訳なんてない。

だから、否定する。


けど、気になる名前。

五十嵐からして見れば、無意識のうちに入るかも知れない。

それに、私が気にする理由もない。

でも…“みどり”って…。

誰なのよ、その人。
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