先生のメイドさま

彼は少しあたしの言葉を待って

 「………じゃ…」

彼がノブに手をかけると同時に

 (いやだ…行かないで…)

あたしは思わず彼のスーツの裾を掴んでいた

 「なに……」

彼は冷たくて

あたしはそれに怯まずに

 「行かないで…ここに…居て?」

はじめて敬語を抜いて言った



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