愛のかたまり
少ししてチャイムが鳴ったから、
サボらず恭平と教室に帰る。
「美姫~!具合悪いの?大丈夫?」
教室に入るなり優が私の元へ駆け寄ってきた。
「うん、大丈夫だよ。
心配かけてごめんね?」
「大丈夫ならいいんだけど…無理はしないでね?」
「ありがとね」
少し笑ってみせると優が驚きの声を漏らす。
「笑った!」
さっきもどこかで聞いた台詞だ。
「私が笑ったらおかしい?(笑)」
「ううん!ただ、嬉しいの!」
「嬉しい?」
「うん!だって最初全然笑ってくれなかったでしょ?
それにうっとおしそうな顔してたし…
だから嬉しいの!」
「変な子(笑)」
「美姫のが変な子だよ~(笑)」
優はほんとにいい子。
私、この子と友達になりたいな…
でもどうせまた裏切られるのがオチ、
深入りはやめよう。
席に着いて隣見ると、恭平は友達と話していた。
「ね、さっき帰ってきたとき新崎くんも一緒だったでしょ?
一緒に居たの?
「少しね、優は彼が好きなの?」
「ううん違うよ!
新崎くんの友達の遠矢亮(トオヤリョウ)が好きなの!」
「へえ。
中学一緒だったの?」
「そうなの♪優しいんだよ♪
あんまり話したことないけど…」
「そうなんだ。
せっかく一緒のクラスになれたんだから、
仲良くなれるといいね」
「うん!」
恋、か…
私には無縁な話だろうな。