Dear…ex
「あんたも災難だったな。じゃ、気をつけて。」
セキュリティに下まで送ってもらい、軽く会釈をして帰路につく。
結局、鍵は見つからなかった。
ついでに言えば男も何処かへ行った。
喧嘩が始まって数分もしないうちにセキュリティのがたいのいいお兄さん達が現れて
それを確認するや否や、男は何処へとも分からず忽然と姿を消した。
残された私と最初に殴られた男がそこに残されて、
どう考えても一方的に殴られたとしか思えないその男の顔を見て、思わず吹き出してしまった。
案の定、男が怒りを露にこちらに向かって来たところで セキュリティが到着。
見知らぬ、おそらくは被害者であろう男はセキュリティに連れ出されて行った。