旦那様は俺様でいぢわる


帰り道わかんないし…


結局、ここまで逃げて来たものの
このあとのことなんて考えてなかった





「―――どうしよう……」

わたしは小さく呟いた。



着物はグシャグシャだし

汚れちゃったし

せっかく綺麗にしてもらった髪だって
全部落ちちゃったし

足だって痛いし……









もう…わけわかんない。







相手の人…どんな人だったのかな…

年上らしいけど…

20代?30代とか?



わたし………



逃げてよかったのかな……。







俯きながら、手に力がこもった。












知らない人となんか、結婚したくない。



でも、

わたしが結婚したら





借金はなくなるんだよね……









みんな普通に生活ができるんだよね?


『貧乏』じゃ、なくなるんだよね…









不安やよくわかんない気持ちが沸き上がってきた



どんどん、気持ちが弱くなってくる…










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