COLORS【橙】パッション☆オレンジ
次の日の朝。
俺は蜜柑に会ったら「ありがとう」を言おうと思っていた。
「おはよう」
リビングに行くとそこには父さんと母さんしかいなかった。
「希、おはよう」
「あれ?蜜柑は?」
「蜜柑なら用事があるからって先に学校行くって言ってたわよ」
「……そう」
「はいっ!これ」
「?」
「蜜柑が作ったのよ!希ちゃんに渡してて言ってたわ」
「……弁当……!」
俺は昨日の会話を思い出した。
あいつ!!
「俺……行かなきゃ」
蜜柑に会いたい。
「希!朝食は……おいっ」
俺は父さんの言葉も聞かずに飛び出した。
無我夢中で走っていた。
蜜柑にはたくさん『ありがとう』を言っても足りない。
俺はお前を失いたくない……。
それは──、
キョウダイとしてではなく……。
「蜜柑っ!」
「……希」
最寄駅の改札を通ろうとしていた彼女を見つけて、俺は叫んだ。
好きになっちゃいけない。
分かっているのに──。
彼女は改札を通るのを止め、こちらへ静かに寄ってきた。
「昨日はありがとう、あと弁当も」
「……別にそんな畏まらなくていいよ、それにお弁当はついでだったから」
「俺……蜜柑のこと」
「お願い、それ以上は言わないで」
「でも」
「ダメ!ダメだよ、操さんに悪いよ。希の彼女は操さんなんでしょ!」
「蜜柑が好きだ」
俺は彼女を抱き寄せると、その瞳は涙で溢れていた。
まるで……それが全てを語っているように。
「……ごめん、希の気持ちには応えられない」
そっと耳元で囁くその言葉が、俺の心に強く突き刺さる。
──蜜柑。
ゆっくりと離れた彼女は振り返ることなく、そのまま駅の改札に向かっていった。
俺は蜜柑に会ったら「ありがとう」を言おうと思っていた。
「おはよう」
リビングに行くとそこには父さんと母さんしかいなかった。
「希、おはよう」
「あれ?蜜柑は?」
「蜜柑なら用事があるからって先に学校行くって言ってたわよ」
「……そう」
「はいっ!これ」
「?」
「蜜柑が作ったのよ!希ちゃんに渡してて言ってたわ」
「……弁当……!」
俺は昨日の会話を思い出した。
あいつ!!
「俺……行かなきゃ」
蜜柑に会いたい。
「希!朝食は……おいっ」
俺は父さんの言葉も聞かずに飛び出した。
無我夢中で走っていた。
蜜柑にはたくさん『ありがとう』を言っても足りない。
俺はお前を失いたくない……。
それは──、
キョウダイとしてではなく……。
「蜜柑っ!」
「……希」
最寄駅の改札を通ろうとしていた彼女を見つけて、俺は叫んだ。
好きになっちゃいけない。
分かっているのに──。
彼女は改札を通るのを止め、こちらへ静かに寄ってきた。
「昨日はありがとう、あと弁当も」
「……別にそんな畏まらなくていいよ、それにお弁当はついでだったから」
「俺……蜜柑のこと」
「お願い、それ以上は言わないで」
「でも」
「ダメ!ダメだよ、操さんに悪いよ。希の彼女は操さんなんでしょ!」
「蜜柑が好きだ」
俺は彼女を抱き寄せると、その瞳は涙で溢れていた。
まるで……それが全てを語っているように。
「……ごめん、希の気持ちには応えられない」
そっと耳元で囁くその言葉が、俺の心に強く突き刺さる。
──蜜柑。
ゆっくりと離れた彼女は振り返ることなく、そのまま駅の改札に向かっていった。