COLORS【橙】パッション☆オレンジ
二人はオレンジ
 俺が教室に着くと操が居た。

「おはよう」

「……おはよ」

目は笑ってない……表情は明らかに怒っている。
ピリピリした空気が非常に重く感じる。

まぁ……その理由も俺なわけで。

「あのさ、話があるんだけど放課後、いいかな」

「……分かった」

そして、俺たちはそれまでの間ほとんど会話を交わすことなく一日を過ごした。




「やっぱり怒っているよな」

「当然でしょ!私にはあんなこと言っておいて!本当、サイテーよ!」

「俺は何を言われても仕方ない、構わないと思ってる」

「開き直り?いい身分だこと」


「……操、別れよう」


「言われるって思ってた」

「?」

「蜜柑さんと初めて会った時、希の気持ちが私から離れていくんじゃないかってそんな予感がしてたから。希はそんなことないって言ってたけど、やっぱりこうなっちゃったね」

「……どうしてそんなこと?」

「う~ん……女の勘ってやつかなぁ」

「なんだよ、それ」


「もうおしまいっ!」


「えっ!?」

「グダグダ言っても前に進めないじゃない!」

「……操」

「離れた心を繋ぎとめてるだけの余裕なんて私には無い……だから」

「……だから?」

「最後くらいは笑って終わりにしよ!ねっ!」

「ああ」

操は気付いていたのだろう。
あの時、蜜柑が俺の方をずっと見ていたこと──。

そして……。

俺のブレザーの裾をずっと掴んで放さなかったこと。
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