COLORS【橙】パッション☆オレンジ
「蜜柑!」
俺は彼女の帰りを家の門の前で待っていた。しかも部活まで休んで。

「……」

「話があるんだ」

「……どいてよ、家に入れないじゃない」

「どかない、俺の話を聞いてくれるまでは」

「……」

「今日──操と別れた」

「!?」

「俺はお前のことが好きだから。初めて会った時からずっと好きだった」

「……希」

「自分の気持ちに嘘はつきたくない」

「信じて、いいんだよね?」

「……ああ」

「胸がドキドキが止まらない……苦しいよ。これが『好き』ってことなの?私も希のことが──」

「そうだよ、これが──」

「ちょ、ちょっと……!」


好きと言う『証』だ。


「……私も言わせて」

「?」

「希、大好きだよっ!」



オレンジは甘酸っぱくて、ほろ苦い。
未熟なオレンジは、これから甘くなる。

そして──変化する。

鮮やかな『橙色』に……。



END
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