COLORS【橙】パッション☆オレンジ
我ながら自分が自分で嫌になる時、

それがまさに──。

「朝霧希(あさぎりのぞむ)です。よろしくお願いします」

この瞬間だ。

「初めまして、桃子です。そしてこっちが」

「よろしく!蜜柑です」

かっかわいいなぁ~っ!
でも、
綺麗な花には刺があるって言うしなぁ……。
油断は禁物だ。

「これからよろしくね、希君」

「あっ、はい!」

桃子さんに声をかけられ、やけにキンチョーしている自分が居た。

父さんは二人には何度か会っているらしく、挨拶は主に俺だけだった。
家は目と鼻の先であるが引っ越すことになった。十七年間、このマンションで育った愛着があるだけに、少し寂しい気もするが、不幸続きの俺たちには縁起担ぎとも言えよう。

何はともあれ、これから新しい生活が始まる!

血の繋がりのない俺たちは、親子としてまた、キョウダイとして同じ屋根の下で暮らすこととなった。
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