オモチャ
―「店長…」

「なんや、…またか」

「やからおるんですってば!!」


宮田ちゃんが居ると主張し続けてる少女を、俺は一度も見たことがない。気配すら、感じたことはない。


「ほら、今日も人形コーナーに…」


夜9時半。
宮田ちゃんによると、その少女はいつも人形コーナーに居るらしい。


「宮田ちゃん…。嘘もええ加減に…」


そう言いながら振り向くと、宮田ちゃんが目眩を起こしたのか、フラリと崩れ落ちた。
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