オモチャ
「何も分からんくせに、分かったような口利かんといて…」

「分かるわ!!」


俺は可憐の言葉を遮り、そう叫んだ。


「俺はちっこい時からずっと一人やった」

「え…?」

「親の顔なんか覚えても無いわ」

「何で…?」

「オカンはもともと体弱かったから、俺産んですぐ死んだし、オトンは俺置いて逃げた」


俺は、ハァーッと、息をついた。



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