オモチャ
「なんなら、ついでに捨てときましょか?」

「ええよ、ええよ」

「奥さんは、コタツん中でも温(ヌク)うしといてください」

「そう?ほな、お言葉に甘えて」

「任せてください」


俺は奥さんからゴミ袋を受け取ると階段に向かって歩き出した。部屋は2階だから、エレベーターを待つより、階段で行った方が早いからだ。


「ありがとうねー!」


後ろから聞こえた奥さんの声に、俺は振り返り、軽く頭を下げてから、再び歩き出した。
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