黒ずきんちゃんの恋
─キーンコーン……


「志緒!帰ろう」

「うん」


私は明るい笑顔(のつもり)で華音に駆け寄った。

と、その時。

「あ───っ!!!」



と、男子が後ろから叫んだ。


私と華音は何かと後ろを向いたら、

その男子は私のことを見ていた。



え?私?

私何かしたっけ。


「黒ずきんだあ─!!」



その男子は大きな声でそう叫ぶ。

それを聞いた途端、私は停止した。



………黒、ずきん?



な、なんで?何で知ってるの!?

もしかして、中学が一緒だった?


そんなことやあんなことで頭の中がぐるぐる
回る。

「え?黒ずきん?」



華音は私に聞いてきた。


……や、やばい。



高校での皆に知られたら、私の人生
めちゃめちゃになる。


「な、何でもないよ」


「そう?」

「え、嘘だあ。お前は絶対あの・・」



その男子が最後まで言わない間に、
私はその男子を体育館裏に引き釣り込んだ。


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