オカルト・カルテ
うつむいた私に、レラジェさんは続ける。
「・・あの2人は、
詩織殿のことを大切に思っているのだろうな」
真に、うらやましき絆だ。
腕を組んで優しい笑みをたたえてそういうけど。
「・・ど、どうしてですか!?
2人が自分を犠牲にしてまで
私をかばう理由なんてないじゃないですか!
・・いくら契約で結ばれてるって言ったって、
ここまでする理由なんて・・・」
「それは違うぞ、詩織殿」
「え・・?」
「2人が詩織殿をどのように思っているかは
わからん。
ですが、あなた方の絆は
もう『契約』とだけでは呼べぬほどの
物になっているのではありませぬか?」
「・・・・」
「悪魔と契約なされる時点で
とんでもない方だとお見受けしていたが・・・。
実際会ってみるとなんということはない、
普通の人間の女子だった」
ふ、と少し笑ってから目を細めて私を見る。
「でもそれこそが、
彼等があなたと行動を共にし続ける理由でも
あるのだと、そういう風にも感じられた」
・・私が、ストラスたちと一緒にいる理由・・・?
考えたことも、なかった。
「・・私、なにも持ってないですよ?
魔力があるわけでもないし、
特別なにかに秀でてるわけでも・・・」
するとレラジェさんは笑う。
「はっは。
たしかに、詩織殿にはとくべつ、
なにかあるようではありませんな」
見た目では、
そう言った。
「大切なのは、心。
契約という形だけの絆では、
真に我々と誓いを交わすことはできませぬ」
私の頬に手を当てて、優しげに微笑む。
「我々悪魔にとって、人間というのは
忌み嫌われた、宿敵のような存在でありましたが・・・。
ストラスやシュトリの話、
そしてあなたを見ていると、
人間もそう悪くはないと思えるのですよ」
もう一度笑みを浮かべた彼に、
私もそっと笑みを返した。
「・・あの2人は、
詩織殿のことを大切に思っているのだろうな」
真に、うらやましき絆だ。
腕を組んで優しい笑みをたたえてそういうけど。
「・・ど、どうしてですか!?
2人が自分を犠牲にしてまで
私をかばう理由なんてないじゃないですか!
・・いくら契約で結ばれてるって言ったって、
ここまでする理由なんて・・・」
「それは違うぞ、詩織殿」
「え・・?」
「2人が詩織殿をどのように思っているかは
わからん。
ですが、あなた方の絆は
もう『契約』とだけでは呼べぬほどの
物になっているのではありませぬか?」
「・・・・」
「悪魔と契約なされる時点で
とんでもない方だとお見受けしていたが・・・。
実際会ってみるとなんということはない、
普通の人間の女子だった」
ふ、と少し笑ってから目を細めて私を見る。
「でもそれこそが、
彼等があなたと行動を共にし続ける理由でも
あるのだと、そういう風にも感じられた」
・・私が、ストラスたちと一緒にいる理由・・・?
考えたことも、なかった。
「・・私、なにも持ってないですよ?
魔力があるわけでもないし、
特別なにかに秀でてるわけでも・・・」
するとレラジェさんは笑う。
「はっは。
たしかに、詩織殿にはとくべつ、
なにかあるようではありませんな」
見た目では、
そう言った。
「大切なのは、心。
契約という形だけの絆では、
真に我々と誓いを交わすことはできませぬ」
私の頬に手を当てて、優しげに微笑む。
「我々悪魔にとって、人間というのは
忌み嫌われた、宿敵のような存在でありましたが・・・。
ストラスやシュトリの話、
そしてあなたを見ていると、
人間もそう悪くはないと思えるのですよ」
もう一度笑みを浮かべた彼に、
私もそっと笑みを返した。