オカルト・カルテ
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もうあれから何時間たったのだろう。



いいかげん牢獄で過ごすのも飽きてきて
ストラスのイライラも限界値だ。



『・・・ったくよぉ・・。
俺様をこんな場所に閉じ込めて監視なんか
しやがって・・・』



怒鳴る元気どころか、
もうオーラすら変わってしまっている。



ゆらゆらと不思議なオーラをまといながら
入り口の兵士に向かってなにかつぶやきだす。



・・このままでは、
助けが来る前に彼が暴走しますね。


ため息をひとつついて本を閉じると
陣を描き始めた。



チョークの音に気づき、彼も近くへやってくる。



『・・なにをしてる』



「おや、あなたならお分かりかと思いましたが」



皮肉をこめて言えば、
彼はむっとした顔をする。



『ちげぇ。
俺が言ってんのは何のためにその陣を描くか、ってことだ』



「・・・」



その質問には答えないまま
作業を続けていると。



「やっほーい、スト兄!
お元気してたー??」



テンションの高い声が上階からやってきて
ストラスの耳がぴくっと反応する。



『・・あんのやろう、
こんなときに来やがって・・・』

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