オカルト・カルテ
笑って細まっていた目を、
さらに三日月のように細めて。



その間から、闇色の瞳がのぞいた。


「そう、そのまさか。
2人の大事な大事な詩織ちゃんが、
今こっちに来てるってわけ」



わざわざご苦労様だよねぇ、
そういってまた笑う。




『・・・チッ。あいつ、どうやって・・』



「・・彼女1人では、
あけられないはずなのに・・・」



「協力者がいるみたいだよ?
グラシャ=ボラスやレラジェもいるみたいだね。


今監視から聞いた」



協力者・・・!?



「その人の素性は知れないけど
とりあえず2人とも丁重にもてなすつもり。

そういうわけでぼくは準備にいくから」



そして去ろうとするイーぺの首根っこを、
ストラスがグッとつかんだ。




『おい、兎。
てめーアイツをどうするつもりだ』



「どうって?」



淡々と、楽しそうに返事を返す彼に、
ストラスは小さくしたうちをして。






『・・詩織に少しでも変なマネしてみろ。



本気で・・ミンチにするからな』




その言葉に少しだけ目を見開いて
また笑った。



「ふふ。いやだなぁ。
詩織ちゃんの嫌がることするわけないでしょ」



『・・』


「もうじき出られると思うよ。
なにせ監視対象本人が来ちゃったもんね。


詩織ちゃんのところへすぐ行けるかどうかはまた別だけど。


それじゃあねー」



バタン。




「さて、どうします?
あの兎、絶対嘘ついてると思いますけど」



『……シュトリ。
さっさとその陣、完成させろ』



そういった彼の目はギラついていて。



「クス。

・・はい、わかりました」



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