オカルト・カルテ
「詩織!大丈夫ですか!?」



「あ、う、うん・・。大丈夫」



なんていうかさっきまでの勢いとか
いろいろ2人の剣幕に押し出されてしまった感じで。



「ほう。あの檻からどうやって・・」



『・・はん。そんなの陣さえ書いちまえば
こっちのもんだっつーの!』



「書いたのは私ですけど」



『・・・うるせー』



2匹は私の前に立ちながら、
ベリアスをにらみつける。




『・・俺らはコイツを渡す気もねぇし
ここに居座るつもりもねぇ。


人間界に帰る』




「・・ストラス・・」




「・・悪魔であるはずのおまえが、
故郷から去りたいとはどういう了見だ」




その言葉にはん、と鼻で笑って。




『あっちでしかできねーことがあるからに
決まってんだろーが。



・・ま、こんなところでぬくぬくと
生きてる奴等にはわかんねーだろうけどよ』




「全く、あんなセリフをよく言えますね」



一応彼よりも上の地位の方なんですが。



苦笑してやれやれ、といったふうに
手を上げるシュトリを見つつ私も笑う。



「でも、それがストラスだよね」




プライド高くて、俺様で、
いつだって自信満々な彼。



それを久しぶりに見れたことが、
なんだか嬉しかった。
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