オカルト・カルテ
「・・不思議な人ですね」



「え?」



門を出てすぐ、私の部屋に帰ってきた私たち。
グラシャ=ボラスが私を下ろしているとシュトリが呟いた。



「彼ですよ。
悪魔と契約している人が詩織以外にいないと
思っていたわけではありませんが・・・。

正直少し驚いています」



「でも成満さん、本当はとってもいい人だよ?
口数は少ないけど・・助けにいけたのは
あの人のおかげだから」



ふふ、と笑ってグラシャ=ボラスをなでれば
彼も微笑んだ。



「ですが少なからず・・。
魔界に興味があったというのも、あるんでしょう?」



シュトリが少し目を潜めてそういう。


グラシャ=ボラスもその視線の真意を
読み取るように息を吐いた。


「否定はしません。
主はもともと、私たちの世界に興味がおありでしたので」



「成満さんとはどこで会ったの?」




「学校のとある教室ですよ。

図書館に封印されていた私は彼に呼び出されたんです」



「と、図書館!?」


そんなところにあって大丈夫なの・・・!?


驚いているとシュトリがくすりと笑って説明してくれた。



「悪魔の本というのは様々な場所に点在していますからね。

置かれる配置すらランダムですし・・。
出会う確率はきわめて低いでしょうが」




「そ、そうなんだ・・・」



じゃあ、私がストラスと出会ったのも、
すごいこと・・だったのかな。




「彼はすでにレラジェと契約していましたから
私を呼び出してもさほど驚いてはいませんでした。


ただ・・・」



『悪魔の世界について、教えてくれ。
おまえらは・・いったいなんだ?』



「成満さんが、そんなことを・・?」



「ええ。とにかく色々聞くものですから。
逆に、なぜそんなに悪魔について知りたがるのか、と
私が問うてみたんです」
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