オカルト・カルテ
『・・ああ、少し、な。
調べたいことがあるんだ』



「・・主が何を考えていらっしゃるのか・・
私たちですら、いまだによくわかりません。

ただ、私たち悪魔が認めるに値する
人間であるということは確かなのです」



「・・・」


目を閉じて優しい顔でそういった彼に、
私は思わずうつむいてしまう。



・・そっか。
皆は、ソロモンに封印されたから
人間を・・・。




「・・あの。グラシャ=ボラスさんは、
私たちのこと・・・好き?」



一瞬きょとんとして、というか、
質問がよくわからなかったとでもいいたげに
首をかしげた彼。



「はい。とてもお優しい方々だと
思っておりますよ」


そういってから、シュトリをちらと見た。



「レラジェから聞いてはいましたが・・
契約者があなただからこそ、
彼等がこんなにも優しいオーラを放っているのですね」



優しげにそういった彼に私はぐっと唇をかんで。



「・・・。
グラシャ=ボラスさん・・・私・・。

私、悪魔のこと、まだよくわからないけど、
少なくともストラスやシュトリ・・そして
あなたたちのことはとってもいい悪魔だって思ってます!


だから、成満さんみたいにきっといい人間もいるはずだから・・」




ぽん、と肩を叩かれて後ろを見ればシュトリが
うなずいている。



「シュトリ・・・」




「もちろん知っています。
全ての人間がソロモンのようではないということ・・。

まぁ、主に会ったからこそ、
いえることなのかもしれませんが。



あなたの気持ちはとても伝わってきます。
そんな風に言っていただけて・・とても嬉しいです」



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