オカルト・カルテ

新参者

「ふわぁあ・・・眠・・・」


「なんだよ、詩織。寝不足か?」



寝不足までドジがたたるなんて、
ほんとおまえついてないな。と悠ちゃん。



「もう、そんなとこまで体質関わってないよ」


「じゃあなんでそんな眠そうなんだ?」



「・・ん、ちょっとね」



私の返事に悠ちゃんはふーん?と言い残して
席へと着いてしまう。
私はそれにほっと息をついた。



・・・言えないよねー。


「悪魔のことについて、本格的に調べ始めてる」なんて。




話したらきっと、悠ちゃんはとっても
喜ぶんだと思う。
それどころか一緒に調べるって言いだしそうだし。



ちょっと前までは、ストラスのこととか、
それなりに悪魔の話にも関わってきたけど・・。



この間の魔界に行ったときから、
もうそれもやめようかなって思い始めた。




私の身の回りで起こってることの深刻さに、
やっと気づいたというか。


ストラスや皆の呪いを、本当に解きたいと思った。





「・・・だけど、何すればいいんだろ」



私にできることなんて、きっと、
本当に少ないんだろうな・・・。




だからせめて知識だけでも、と
ソロモンとストラスたちの歴史を調べようとはしてるけど。



ストラスたちに心配をかけないように
それをするのは、なかなか大変だったりもして。



「・・バレたら絶対怒りそうだもんね」


っていうかバカにされそう。


『おまえは何やってんだ、馬鹿か』



とか何とか言って・・・。


「・・って想像してたらものすごいイライラしてきた」




絶対、言ってやらないっ!
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