オカルト・カルテ
「・・人間ごときに俺たちのことを
とやかく言われたくは無いな。


これは俺たちの問題であって、
おまえは関係ない」



「そ、それは・・・」



「人間は悪魔を使役する存在。
それ以上でもそれ以下でもない。

ソロモンが決めたその理がある限り、
2つが相容れることは決してない」



ギラリと暗闇に光っていた金色の瞳が
まっすぐにこちらを捉える。
目が離せずに、ぐっと息を飲み込んだ。





「まぁ俺はおまえの悪魔じゃないから
何をしようと勝手だ。


ただし、あいつらは知っているのか?」



『おまえの決意を』。



そう言って少しだけ笑う。




「・・・ストラスたちは・・・知らないよ。
私が勝手に、考えてるだけ・・・」



だって、あの2人はそんなこと望まないかも。
ただでさえ嫌いな人間に支配されて、
それでも私と一緒にいてくれて。



ソロモンを恨んでるっていう気持ちは消えてないはず。
そんな素振りは、少しも見せないけれど。




ぼそりと呟かれた言葉にふうと息を吐いた声が聞こえた。



「なるほどな」


「・・・あの、お願い!
2人には言わないでほしいの!
私が勝手にやってることだから・・・・」



すると彼は少しだけ目を見開いた。




「俺には関係ないからな。
おまえたちの事情に関わる気は無い」



・・・って、ことは言わないんだよね・・?



「・・・ありがとう。アムドゥスキアスさん」


そう言って笑えば彼ががくっと体を傾ける。



「名が長いからあだ名で呼べって言ったろ。
それに「さん」はいらない」
「え?でも・・・・」



すると彼はがしがしと頭をかいてスタッと降り立つ。




瞬間、回転するように白い煙が沸きあがり、そこから
一匹のユニコーンが現れた。
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