オカルト・カルテ
「おっ、詩織ー!!」




「ゆ、悠ちゃん。
連れてきたよ」



「マジで!?
見せてくれよ、ほらっ」



目の前に、私の腕の中にいるだろうと
思わず突っ込みたくなるが、
あらぬ期待をしているであろう彼のため



私はきちんと言ってやる。




「・・これが、その人です」





「・・・は」




一瞬固まって。




「な、おまえエイプリルフールじゃないんだぞ!

おまえ、本物出せよ、本物を!」





「・・だから、これが本物なんだって」



いいかげんにしないと、
ストラスキレちゃうよ~・・・!



「大体、こんな猫が
悪魔なわけないだろっ!


ひよわすぎるっつーの!」



ブチ。




『おいっ、ガキィ!!


さっきから聞いてりゃ、俺様のこと
散々コケにしやがって・・・!


俺だって好きでこの体やってるんじゃ
ねぇよ!


わかったか!』




私の腕をするりと抜けて
悠ちゃんの頭の上で怒鳴った。




「・・は、はい・・・・」
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