オカルト・カルテ
「おっ、詩織ー!!」




「悠ちゃん!」




歩いて行くと、悠ちゃんが
不思議そうな顔をした。




「?
今日はストラスいねーのか?」




「あ、あいつは置いてきたの。

うるさかったし」




…今頃どっかで
のんきに昼寝でもしてるんでしょ。





「そっかぁー・・。
アイツがいれば心強い・・


っていうか、猫がしゃべるって
だけでもだいぶすげぇと
思うんだけどな」




「でさ、悠ちゃん。

女の子が消えるって・・・」




「あぁ、そうそう!


なんでも怪しい占い屋が
あるらしいんだ」




「占い屋?」



…さすがにこれは、
ちょっと信用しづらい。




いつものように、
ただのオカルト事件かな。



「そ!
そこの占い屋に行った女の人が
みんな消えてるんだ。


でも証拠がないから
心霊現象だけで女性たちを消したとは
警察も言いづらい。


なにより、占い屋は
やってないかもしれないし」




「…何で消えたか、わかってるの?」





「そこがさっぱりだから
調べに行くんだろ。


で、どうやら狙うのは
女ばっからしいから♪」



そう言って、私の肩に手を置く。




…こ、この表情はまさかっ。




「…う、嘘でしょ」




「頼むっ、詩織!

俺の名声のために!」




「…仕方ないなー」


全く!!




…ていうか名声って…。




悠ちゃんそんなに有名だったっけ?
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