オカルト・カルテ
「最近店に悪いうわさが
立つようになってしまって…。



すっかりお客さんが
減ってしまいました」




カタン、と紅茶を置きながら言う。




「…知ってます。

ここの占い屋さんで
何人もの女の人が消えてるって…」




「はい。
話を知った時はショックでした。


まさか、自分の店を訪れたとたんに
消えてしまうなんて…」



そう言って目を伏し目がちにしたかと思うと。





「ですが、本日は楽しめそうです。


こんなかわいらしいお客さんも
来てくれましたしね」



ドキ…。




…な、なにこれっ・・・!




なんで、初対面の人に
こんなにドキドキしてるの!?




…まさか、この人に恋しちゃったとか…?




じっと顔を見ていると
不思議そうな顔をする。



「どうされましたか?」




「あ、いえっ。なんでもないです!」




気のせいだよね…。





「ああ、すみません。
占いをお願いしに来たんですよね。


では…」



そう言ってカードを取り出した。




「占いたいことは、なんですか?」



…あ、それ考えてなかったな。




うーん…。





「…私の、身近にいる人で…。


…猫、なんですけど…」




「くす。わかりました」
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