オカルト・カルテ
『筋金入りのバカだな、てめぇは』




聞き慣れた声に耳をそばだてると
そばの机にあの悪魔の猫。




「…おまえは…!

なぜ、こんなところにいる!」




男の人は本性を現したのか、
怖い顔をして後ずさる。




口元には牙が生えていて
豹のようにするどい目。




『フン。シュトリか。

また珍しいもんに目ぇつけられたもんだ』




ストラスはあざ笑うようにそう言うと
私の前に降り立つ。





「…助けてくれるの…?」





私、忠告聞かなかったのに…。





半泣きの私にストラスは振り返る。






『勘違いすんな、バカ。


俺様はこういうフザけた野郎が
嫌いなんだよ』




そう言って毛を逆立てる。




『…何が目的だ。

おまえは無差別に能力を使うような
やつじゃなかっただろう』
< 51 / 129 >

この作品をシェア

pagetop