オカルト・カルテ
土曜―――――







「…あ!神埼さん!
来てくれたんだ!」




重い足取りで校門の前へ行くと
すでに城崎くんがスタンバっていた。




「…あ、どうも」




お辞儀しながら城崎君は早速
車へと推し進めてくれる。




「あ、もう一人の彼は?」




「あ、えと。
悠ちゃんはこれないって言って・・」




ウソ。




電話したのに悠ちゃんったら全然
出ないんだもん…




結局私一人で行くことになるなんて…




思わずため息をついて車に乗ろうとした時だ。






「おいっ!俺を置いてくなよ、詩織!」




「え・・・?」




振り返ればそこには悠ちゃんの姿。




「ゆ、悠ちゃん!?」




そこには息を切らした制服姿の悠ちゃんがいた。





「ど、どうしてここに・・・?

何回も電話したんだけど」




「!

悪かったな…。

急な用事入っちゃってさ。
さ、行こうぜ詩織」



そう言うとさっさと車の中へ入っていってしまう。




…なんかさ、妙にあっさりしてるなぁ。



いつもならもっと謝るのに。





「じゃあ、行こうか」



城崎君も乗り込んで、
私も車へと足を運んだ。
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