オカルト・カルテ
「2つ目には、あれ」



そう言って噴水の間の
門を指した。




「アレは悪魔を呼びだすための
魔界に通じる入り口…。



普通の人ではおろか、
悪魔のみにしか知られない真実。


それをどうして、
人間が知っているといえるでしょう」




平岩さんの笑みは確実に、
そして不敵なものへと変わっていく。




目の前にいる悠ちゃんの顔は見えないけど
だんだん体が震えだしてきているように
感じた。




「…悠ちゃん?」




【クク…。


こんな早くに、バレるとはな…】




「…え?」



「詩織、伏せて!」



とっさにそう言われ反射的に伏せる。




すると長い爪が私の頭の上をすり抜けた。




な、何あれ!?



そう思っていると私の体は
宙に浮いて彼より離れた所に立っている。




「え…?」
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