オカルト・カルテ
『聞こえなかったのか?


そりゃお気の毒だな。


俺様は、おまえなんかに
ついてく気はねぇっつったんだよ』




【なぜだ!?
人間が嫌いなんだろ!】





『ああ、確かに俺は、
人間が嫌いだ。


けど俺が一番嫌いなのは、
何よりも俺様を封印しやがった、
あのクソソロモンのやろうなんだよ』







『他の人間なんて、
俺にとっちゃどーでもいい。


むしろ、本から喚ばれて
あいつに仕返しできるチャンスができたんだ。


あっちに戻るより
そのほうがずっといいね』



ストラスはしっぽをらんらんと
振りながらべーっと舌を出した。




「…私も、同意見ですね。


確かに、人間に恨みはありますが
あくまでそれはソロモンに対するものです。


人間がいなくては
わたしたち悪魔は存在すらできなくなりますし?


その人間を支配してしまっては
悪魔の美学に反しますね」




『悪魔っつーより、おまえの美学なんじゃねぇの』




「うるさいですよ、猫」



『猫言うなッ!!!』








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