オカルト・カルテ
そう思って抱き上げた時だ。




ガリィッ!!




「痛ッ・・!

なにすんの、クゥ!」



かき傷は小さな裂傷となって
血が少しずつ流れた。





『そりゃこっちのセリフだ!
勝手に喚び出した上に
こんな姿に入れやがって・・・!』




え、ウソ。




聞き慣れない声。




でも確かにその声はクゥのほうからする。





「え・・・?」





見てみるとそこには見た目こそクゥだが
全く気配の違うクゥがいた。




目の色は血のように真っ赤な瞳だし
全身から人を拒絶するオーラを放っている。




何より、とても『猫』には
見えなかった。





「クゥ・・・?」





『んなふざけた名前じゃないね。

オレ様はストラスだ!よーく覚えとくんだな』





「・・ストラス・・・」







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