オカルト・カルテ
「…考えてはいけないことかも
しれません。


ただ、方法の一つとしては
上げられるでしょう…」



悲しげに眼を伏せるシュトリのそばで
ストラスは無表情だった。



いつになく光っているその紅い瞳が
一瞬閉じられ、開く。




『…行くか、地獄へ』




「え?」




「何を言ってるんですか!


詩織を置いていけるわけないでしょう?



望んでいないとはいえ、
詩織は私たちの主です」




『ソイツも連れてく』



「!」




…ストラス…。



本当に、行くつもりなんだ。




あの赤い瞳が、そう言っている。





決意したような彼の背中は
少しだけ悲しくも見えた。




『…あのジジイがくたばるなんざ
思っちゃいねぇよ。


けど、それで脅かされるようなことが
あるなら…、



行かなきゃなんねぇだろ』





「閻魔サマはくたばってなーいよ♪」



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