先生が好き…


「あたしね、好きな人がいるの。」


「うん。それは結那を見ててわかってたよ。」


「うん。それでね、その好きな人ってのはね・・・、」


「ぅんうん。」




「・・・塾の先生なの。」



結那は里衣に嫌われるかもしれないという恐怖感から、顔を上げることができなかった。


「結那?顔、上げて??」



そぉっと顔を上げて、あたしが見た里衣の表情は、暖かく笑っているものだった。



「り、ぃ??・・・引かないの??゙先生"を好きだなん・・・「結那にとってのあたしは、そんなちっぽけな存在だったの??」



「えっ・・・?」


あたしは、里衣が発した言葉に耳を疑った。――引かれると思っていたから。


「引か・・・ないの・・・?」



あたしはもう一度聞いた。
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