【4 season】執事と羊
きっと何か言っても龍夜に負けるから
大人しく助手席に乗った
「何処にいくの?」
「まだ秘密。
着いてからのお楽しみ」
前をみながら運転している龍夜は
悪戯っぽく言った
その声があたしの脳みそを溶かして
思考回路を停止させる
聞き慣れているはずなのに
こうやって2人っきりになると
未だに緊張してくる
ハンドルを握って
運転をする姿にも惚れてしまう
「最近、出かけられなかったよな...」
「そうだね...
忙しいからしょうがないよ」
本当はね?
その言葉の後に
「それでももっと2人の時間が欲しい」
って言いたいんだ
でもそれって欲張りだよね?
あたしだけの問題じゃないし、
重職につくことは前々から予想してたんだもん
「だから、夏までこれで我慢してもらおうと思って」
えっ...?