イケメンJKと俺。
そっと手を伸ばす。
「それ食ったらどこか行こう。時間、大丈夫か?」


泣きそうな表情をした神谷なんて見たくない。
頭をゆっくりと撫でた。


「ありがと」


小さく呟いたその眼には涙がうっすら光っていた。
それに気づいてまた胸が痛んだ。





「どこ行きたい?」

「夜空見たいです」





「おいしい」

「確かにな」





「食べます?」

「いや、いいよ。また、からかわれる」






「ごめんな。遅くなって」

「いいえ。桃さんと話せて楽しかったですから」




神谷が食べ終えるまでポツリポツリと話をした。
変に明るくしても駄目だと思ったから。


ただ、そばにいてあげるだけ。
正直なんて声をかければいいか分からなかった。
いろいろ言おうとしたら、きっと俺はイヤミしか言えない。
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