イケメンJKと俺。
お会計を済まし、aliceを出た。


神谷の足取りは重かった。
少し前を歩いて車へ案内した。



「乗って」

それだけ言って運転席に乗り込む。


バタンと音がしたのは助手席ではなく、後部座席だった。
ミラーで後ろを見ると外を見ていた。



俺の隣じゃ…ダメか…。



って、俺が気を落としてる場合じゃない。
こんなんじゃ神谷を笑わせてやれない。







何処に連れて行こうかなぁ。
遠いところは駄目だよな。




「海…行くか」

「はい」


今、神谷の心はここにない…。
辛いよ…。


重い空気を包み、和らげたのは優しい洋楽だった。
< 69 / 92 >

この作品をシェア

pagetop