イケメンJKと俺。
砂浜に寝転がり、空を見上げた。
月明りで星はあまり見えない。



「はぁ…」

やっぱり…諦めるべきなのか?
でも、諦められる自信なんか微塵もない。






「さっきから溜め息つき過ぎですよ」

「え?嘘…」
そんなに溜め息ついてたのか?





「ねぇ先生?」
神谷は真っ黒な海を見つめて言った。


「先生の好きな人はどんな人なんですか?」

「んー…。小悪魔みたいな奴…だな」
ひじをついて、手で頭を支え、神谷の後ろ姿を眺めた。



細いし肩幅狭いしで、俺の服はブカブカ。


ただ、嬉しいことが一つあった。




肩にかけただけのジャケットは、袖を通して神谷を包みこんでいたのだ。
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