助手席に君を
卒業試験まであと3回。

最後の3回は、ほとんど試験対策のコースを回る。

「こんにちは。」

今日も村西さんじゃない。あれっ?

この顔見たことあるぞ…思い出した!

あいつだ!アイツ!!

「早川です」

最初の教官だ!もー、なんでコイツなんだよ。

「よろしくお願いします。」

「綾瀬さんね。よろしく。じゃあ、今日はこのコースを行こうか。」

「はい。」

テンション下がるわぁ。でも、コイツの前では恥をかきたくない!




「はい、いいよー。じゃあここに止めて終わりね。」

「はい。」

「合格です。お疲れ様。……綾瀬さん、うまくなったね。初めはどうしようかと思ったけど。」

「えっ?覚えてらっしゃったんですか?」

「うん、まあね。」

そうか、じゃあ村西さんも私のこと覚えていてくれるかな?

覚えてくれていたらいいのに



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