助手席に君を
「向こう側を見るようにして…そうそう!でね、お盆をここにのっけているように意識すると…ほら!できたじゃん!!」

「はい!できました(泣)嬉しすぎです!!」

「この感覚を忘れないようにするんだよ。」

今日の教官はとても良い。基礎から教えてくれる。デブだし、かっこよくないけど、教え方がうまい♪やっとまともに運転できるようになったよ。ちょっとホッとした。

昨日は、教官が悪かったんだな。やはり。アイツの名前は…早川か…絶っ対忘れん!!

「今日はどうだったの?」

「やっぱりね、人間は顔じゃないね。」

「はいっ?」

「うまくいったってこと。コツは掴んだしね。」

いやー、今日はうまくいったな。これで前途も明るいってなもんだ!

それからは、意外にうまく進んだ。オヤジばかりだったけど、みんな私が女子高生ということで(?)優しいし、落されそうなときもあったけど何とか、全て1回で合格させてもらってきた。しかし…

「じゃあ、S字はもう一回やろうか」

「ハイ」

とうとう、落された。S字とクランク。クランクはできるのにな。

でも、落されて当たり前の運転をS字で私はやらかした。どうしても突っ込んでしまう。

一度は、道を外れて車を木にぶつけるかと思った。合格する気がしねー!
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