助手席に君を
金曜日。

教習所に行くと、村西さんがいた。

それまで、浩輔のことで頭が一杯だったのに、一気に吹っ飛んだ。

「あの!」
勇気を出して声を掛ける。

「はい?」

「新しく事務のアルバイトとして入りました、綾瀬祥子です。よろしくお願いします!」

「あぁ、聞いてるよ。律儀に挨拶してくれてありがとう。」
ニコッと微笑んでくれた。そして、敬語じゃない!!

嬉しーーー!

と、嬉しさに浸っていたらいなくなっていた。

足、はやっ!!

「今度の日曜日、祥子ちゃんの歓迎会だから」

事務室に戻ると、五十嵐さんが突然そう言った。
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