流れ星との約束
「コウシエン……?」
 
 
 光がまたも不思議そうに言った。遥斗も、その単語を知ったのは今日のことだったが、テレビで見たあの光景はよく覚えている。
 
 テレビに映る1人の人物がとても格好よく見えた。それがどんな人なのかは五歳の遥斗には全く分からなかったが、あの人みたいになりたいと思った。
 
 父親に聞くと、それはコウシエンという場所で、格好よく見えたのはピッチャーという人らしかった。
 
 だから彼は流れ星に『コウシエンに行く』と約束したのだ。本当は『ピッチャーになる』とも約束したかったが、欲張りはいけないと思い、自重した。
 
 
「コウシエンだよ。コウシエン。知らないの?」
 
「知ってるよお。でもそれがお願いなの? 変なの」
 
 
 彼女の言葉に遥斗は目をパチクリさせた。約束事ではなくて、願い事だったのか。約束事と聞いていたと思っていたが、それも願い事と聞いていたのだろう。
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