流れ星との約束
「よっ。相変わらずアツいねえ」
 
 
 ニヤニヤしながらその男、宗が言った。そんな笑い方をしても下品に感じないのが、彼の凄いところだと遥斗は思う。遥斗の親友である彼は光とも親しく、彼女は宗のことを、名字である吉田の田を取って吉宗――ヨシムネ――と呼んでいた。
 
 
「やろー」
 
 
 光が笑顔で言いながら、遥斗の腕に自分の腕を絡める。遥斗は自分の顔が赤くなることに気づいたので、慌てて宗から顔を背けた。
 
 
「離せよ」
 
「何で?」
 
「何でって……宗からも何か言ってくれよ」
 
「喜んでるくせに」
 
「ないわ!」
 
 
 必死に否定するも、宗には通じない。宗は遥斗が光を好きだということを唯一知っている人物だ。どれだけ否定しても無駄だ。
 
 
「俺がそんなことされたら死んでもいいくらい嬉しいけどな」
 
「やんな。遥斗がおかしいねん」
 
 
 光が軽く怒ったような声を出しながら腕を解いたが、不機嫌にはなっていない様なので遥斗は少し安心した。
 
 彼女が不機嫌になるとどうなるか、既に何度も経験しているだけに、それだけはなんとしても避けたいのだ。
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