カウントダウン
1カウント
キャンパスライフ
「あ。 こんなとこにいた。 探したよー」
あたしの声に気付き、彼はゆっくりと顔を上げる。
「あれ。 夏実。 講義は?」
「ないってゆったじゃーん。 今日の午後一緒にどっかブラブラしよーってゆったじゃーん。 どーせ夏樹忘れてたんでしょ。 もー慣れたから別にいーけど」
あたしがこう言い終えないうちに、夏樹がだんだん『しまった』という顔になったのが分かった。
「悪ぃ。 すぐ荷物まとめるからちょっと待って」
そう言うや否や、夏樹はバタバタと教科書やノートを鞄に突っ込んだ。
「はやっ」
「よしっスタバでも行くか! お詫びっちゃあ何だけど俺おごるから」
「えへーやたっ!」
あたしはご機嫌で軽くスキップ。