カウントダウン
「俺たちの間にさ。 隠し事なんてナシだろ?」
急に向き合ってマジメな顔して話し出したから、何かと思ったら。
「当たり前じゃん。 夏樹今さら何言ってんの?」
半笑いで答えると、いつかの夏樹のアパートであったように
ガバッと急に抱き締められた。
「ちょっ…夏樹……?」
「俺は夏実から何か聞かれたら、何にも隠さないで全部答えられる」
「う…うん……」
「夏実も……だよな?」
「……う………うん」
自分でも『うん』と言っているのか『ううん』と言っているのか分からなかった。
自分でも自分のことを、曖昧な女だなぁ…と思った。
「じゃあ……ちゃんと答えてな?」
「う……うん……」
「黒のフォルクスワーゲンに乗ってたヤツ……誰?」